
来月まで家族が戻ってこないので、自宅で無聊を慰めるためにこんな映画をまた眺めています。
「Gettysburg」(1993年作品)。
前回登場のTed Turner氏がファイナンスした映画です。
1975年のピューリッアー賞を受賞したMichael Shaaraの歴史小説の映画化。題材はいうまでも無く、アメリカ南北戦争の「関ヶ原」。1863年7月1日から3日までの3日間にわたってペンシルヴァニア州ゲティスバーグ周辺で行われた戦い。
監督のロナルド・マックスウェルは小説を一読して感動し、すぐさま映画化を目指したものの、15年間もあちこちの映画会社に断られ続けていたところに、Turnerさんが救いの手を差し伸べたのだとか。
もともと南部(ジョージア州)出身のTurner氏にとって、南北戦争というのは特別な意味を持っているらしい。
ちなみにTurner氏、映画の最後、ピケット将軍指揮下のヴァージニア師団の突撃シーンに登場します。しかもその役が「パットン大佐」。あの第二次世界大戦のパットン将軍のご先祖様。銃弾飛び交う中、銃剣きらめかせた南部兵士の隊列の前にたち、
「Let's Go, Boys!」
と叫んだとたんに弾に当たって死んでしまう。
エグゼキュティブ・プロデューサーなのに、こんなんでいいんかい?
以前も取り上げましたが、南北戦争というのは現在のアメリカのありようの基礎になっている歴史の1ページですので、もっと映画の題材として取り上げられてもいいはず。しかしその重要性のために、かえって政治議論の標的になってしまうということもあり、ハリウッド映画業界ではタブー視されているのだとか。
偉大なる例外は「風とともに去りぬ」ですね。
以前ご紹介のゴア・ヴィダルさんに言わせると、南北戦争とはアメリカにおける「イリアッド」なのだとか。
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