仕事の話をちょっと。
いわずもがなではありますが、ここんとこの金融市場の大騒動で、資産運用業界も大打撃。
もっとも投資銀行のように、妙なストラクチャー証券を仕込んだり、プリンシパルとしてリスクをとる商売をしているのではなく(前職ではそのお手伝いをしていましたが)、現職はあくまでもお客さんからあずかった資産の運用(しかもほとんどロング・オンリー運用)をしながら、手数料を稼いでいるビジネスモデル。ですから市場の暴落で運用資産の目減り(=手数料収入の減少)という状況がボディーブローのように効いてきてはいますが、ベアさんやら、リーマンさんやら、メリルさんのような突然死の恐れは無いです。
もっとも同じ資産運用でも、レバレッジをかけまくるヘッジ・ファンド系やプライヴェート・エクィティー系(こちらの方々も前職でお手伝いしてました)などは資金繰りが続かなくなり「アジャパー」らしい。欧州商業銀行系に勤める友人などは「ここんとこ毎日融資枠引き上げの引導を渡すミーティングばかりで...」などと物騒なことを言っている。
個人的に、ここ数週間のテンテコマイに一番貢献したのはアジア(日本除く)のお客様からの「投げ売り指示」。
彼ら(特にソヴリン系 - 政府・中央銀行)に言わせると、地元のメディアに「実はアソコは○○投資顧問を通じてあの倒産した/倒産危機にある米系金融機関に多額の投資をしているらしい」とやられるのが一番イタイらしい。
とはいえ余剰外貨準備金の運用の一環として、外部投資顧問会社の選定を政策決定したばかりなので、ここで政策Uターンすることは許されない。
これがもう少し市場が成熟している日本の企業年金などだと、ジタバタさわがず、節季の定期的評価ミーティングで「もうケッコウです」となる。もっとも日本の年金基金の管理者にしてみれば、外部の投資顧問会社を使う一番のメリットは、自分たちで運用のリスクをとらないですむという責任の転嫁にある。だから多分自分たちが犯してしまったであろうマチガイを、肩代わりしてくれた投資顧問さんにも、それはそれなりの存在価値があるわけだ。
まぁそんなこんなで、毎日のように「あれ売れ、これ売れ、金融株はダメだ、不動産会社も金融株とみなす...」などとメールやらファックスやらが飛び交った。セールス部門の同僚たちは、なにしろ大口のお客さんだからとにかく言うことききましょうねと社内連絡にアタフタし、運用系の同僚たちは一敗地にまみれたものの、いまが仕込み時と思っているから「一任契約もらってんだろ...ガキの使いじゃねぇんだから、もっと顧客を説得できねぇのか」と気色ばむ。
結局「リーガル的にはどうなの?」とお鉢が回ってくるのだが...それ法律の問題じゃないんですけど。
(ようするに、「離婚相談」といいながら「理解の無い夫をどうしたらいいんでしょう」...と相談にくるオバサンといっしょで、そりゃ法律問題じゃないんですよ...。)
結局、お客さんの指示をより明確化する交渉やら、確定した指示の内部連絡の徹底など、「質より量」の仕事で忙しかった。
ま、今年はボーナス期待できそうも無いが、上記のタイトル通り(↑)に頑張ろうと思います。