Tuesday, September 30, 2008

「3、2、1、キュー、総理!」

以前にもご紹介したBBC Radio 4のFrom Our Own Correspondenceポッドキャスト(番組リンクはコチラから)。

今週の東京特派員、クリス・ホッグさんのレポートは秀逸です(放送分を文章にしたものはコチラで読めます)。

記者会見の前に質問内容を確定させる為に、執拗に事前交渉する官僚と、そうした官僚のアヤツリ人形となることに甘んじている「頭の良さそうな政治家」福ちゃんがこのイギリス人ジャーナリストの目にどう映っていたか。そうして麻生さんは?

まぁ聴いて(読んで)みてください。

なにやってんだか

米下院本会議、金融安定化法案を反対228票で否決

おいおい...選挙が近いのは知っているけれど...院内共和党...オマエら政権与党じゃないか!

(まぁ、アメリカではそう一刀両断できないことは百も承知、二百も合点ですが)

それにしても先週、選挙運動を中断して、討論会のドタキャンも示唆してワシントン入りしていたマケイン候補...あんたいったいなにしてきたの?

Monday, September 22, 2008

ガスコン魂 - Un pour tous, tous pour un - Unus pro omnibus, omnes pro uno - One for All, All for One!

興味ない人には、全然興味の湧かない話だとおもいますが...。










今年の夏を過ごしたガスコーニュ地方は三銃士のダルタニャンや、シラノ・ド・ベルジュラックで有名なお国柄。このご両人に代表されるように、ガスコン人とくれば喧嘩早く、勇敢で、侠気にあふれる好漢と相場が決まってる。

なんでやろ?

今回現地に行ってみて気がついたのは、このガロンヌ川流域の肥沃な地方が中世ヨーロッパでたびたび戦場となっていたこと。

英仏の百年戦争(14・15世紀)の原因の一つは、この地方を含むアキテーヌの領主権を持っていたエレノアちゃんがフランス王ルイ7世を袖にして、後にイギリス王ヘンリー2世となるアンリ君に土地付きで再婚しちゃったことにある。おかげでこの地方は百年戦争中、英軍側の重要拠点であり続けた。

百年戦争最後の戦い、カスティヨンの戦い(1453年)は今回泊まったワイナリー、シャトー・ピトレーのすぐそばのカスティヨンの町が舞台だった。(その戦いの再演イベントをやっていた。)

百年戦争のあとはカトリック勢力と新教勢力の争い(ユグノー戦争:16世紀後半)がくりひろげられる。

そんなこんなの殺伐とした歴史を背景に、この地方では「バスティード」と呼ばれる城塞都市が生まれ、この地で生を受けた男の子たちには「この孤剣の他、なにをか頼むべき...」な戦士としての価値観と行動規律が遺伝子として組み込まれていったのだろう。

海音寺潮五郎が、坂東武士の発生を開拓民である地方豪族同士の土地に絡んだ争いや、異民族である原住民・蝦夷との戦いにあけくれた生活に求め、「あたかも後世アメリカの西部劇にも似た」社会情勢を指摘したのと同じように、中世から近世にうつる段階でフランスにも似たような社会環境が発生していたのですな。

いまではガスコン魂の発揮の場は、この地方がメッカであるフランス・ラグビーにその舞台をゆずっています。

バスティードの町の朝市の風景はこちらからどうぞ。

下はカスティヨンの近郊、ボルドー・ワインで有名な、サンテミヨンの町の夕暮れ。























ドルドーニュ川沿いに立つCastelnaud-la-Chapelle城。






















お城の城壁からドルドーニュ川を臨む。























ドルドーニュ川を渡河する敵勢を発見!























なりきってるセガレ。






















まぁ世界中、どこも観光地にあるもんは似たり寄ったりですな。























かくして旅は続いたのであった...(これはSarlat-la-Canedaの町)。


Thursday, September 18, 2008

Expats

ウォール街発の金融危機、まだまだ続いています。

(おかげで仕事はモグラたたきの様相に...。エグイ...。)

それにしてもリーマンの「expats」(海外駐在員)はちゃんと母国に帰れるのだろうか。

金融庁の監査ガイドラインの改悪のおかげで、リーマンはそれまで東京においていたアジアHQを香港に移していた。だからオフィスビルで以前の同僚をよく見かけていたのだが、彼らの帰国費用は出るのか?飛行機代は?ビジネス・クラスはやはり無理?引っ越し費用は?

こっちの人と結婚している人もいるから、これまた大変だ。

なんか他人事とは思えん...。

Matt Videos

Presentation Zenさんから、そのままの受け売りです。

コンピューター・ゲーム業界で不健康、かつちぢこまった生活を送っていたアメリカ人青年のマット・ハーディング君が一念発起して世界旅行の旅にでたのが2005年。YouTubeにその時のビデオをアップしたのがこれ。

これが話題となり、スポンサーがついた第二弾がこれ。

一人じゃつまらないから、新機軸でもう一回ということで最新版がこれ。

ご本人のコメントはこちら。

Juneとか好きそうじゃない、こういうの?

Tuesday, September 16, 2008

リーマン

以前、数年間お世話になったリーマン・ブラザーズが破産してしまった。

メリル・リンチも買収。

以下、CBSのニュース・スポット。


BBCはコチラ

私が辞めるとき、

「オレはこの職場に賭けているんだ!」

と捨て台詞したあのお方。もうあれから5年以上になるが、大丈夫だろうか。

「明日は我が身」と思わなければ。

...それにしても、このニューヨークのとばっちりで中国株式市場の底が見えん...。

「絶対に許さん!」

いろいろな著名ブロガー(例えばコチラ)にも取り上げられているので、一日平均ヒット数がやっと二ケタのこのブログがあえて言及する必要も無いかもしれませんが、この麻生批判は一見に値します。

野中広務...。そのスタイルには賛否両論ありましょうが、我が身の栄達よりも、己の信念に生きる政治家という存在が、「なんちゃって二・三世政治家」にとってどれだけ恐ろしい存在になりうるかということの証左ですな。

どうも煮え切らない総裁選挙になりそうだと思っていたが、このブログのおかげでいちおう注目点はできた。今回の麻生包囲網はどう動いているのだろう。

中川秀直さんは何してるんだろう。

ちょっと日本の政界にも注目してみよう。

Tuesday, September 09, 2008

ウ〜ウォンテッド!

コチラのリンクから、インターポールこと国際刑事警察機構の国際指名手配人の検索エンジンへ飛べます。

試しにご自分の名前をチェックされてみてはいかがでしょうか。

幸い私の名前はヒットしませんでしたが、ラテン系の名前はヒットしまくります。例えば「ゴンザレス」なんて名前入れたら、もう大変...。

シニカルなポピュリスト

森永卓郎:危険水域に達してきた中国の格差社会

...だそうです。

いかにもケツの穴が小さい論評です。

中国の僻地の農村で、やっとこさ餓死しなくてすむ世代に産まれてきた幸運を噛み締めている人たちにしてみれば、北京・上海などの都市部で目端の利くヤツらがウン億稼いでいようと、別に「暴動しなきゃ」とは思いませんわ。アホらし...。

「格差社会」といういかにも日本的な「ひがみ性」の考えの物差しが、万国共通で当てはまると考えているあたりが、この腹立たしい「エコノミスト」もどきの限界なのか、それとも大衆におもねるいやらしさなのか。

もっとも暴動は起こるでしょう。しかしそれは「格差社会」に対する不満からではなく、地方の共産党幹部の不正・腐敗に対する不満からでしょう。邱さんも指摘するように、最近は人民の方も暴動しても虐殺されないらしいと学習したようですので。

要するに、中国社会はいまでも「水滸伝」なわけですな(地方の悪政小役人に対して蜂起するヒーローの構図)。日本もいまだに「水戸黄門」思考から脱していませんが(けなげな–と自分たちは思っている–小市民を苦しめる地方の悪いお偉いさんたちを、中央からやってきたもっと偉い人たちが懲らしめてくれるという小市民的無作為予定調和の幸福願望)。

Monday, September 08, 2008

そば屋談義

そばが大好きなので、東京出張中、小腹がすくたびにおそばを食べていた。

ある日、外苑前の駅近くのそば屋で、せいろが茹であがるのを待つ間に、社団法人日本麺類業団体連合会農水省と厚生省のアイノリ団体らしい)なるところが発行している「酒めん肴」8月号なる小冊子を眺めていた。

まぁあたりさわりのない内容かとおもってページをめくっていたら、「老舗そば屋が語る『江戸蕎麦の暖簾をひきつぐ心意気』〜平成20年度江戸ソバリエ・シンポジウム開催報告〜」なる記事を読んでみて、ちょっとびっくり。

総本家更科堀井さんが「オヤジの味」にこだわれば、神田まつやさんは「味は一代かぎり」と言いきり、茅場町長寿庵さんは「今や、10年前のレシピで同じ味を出せない」と断言。

シンポジウムでの話のダイジェスト紹介でしたが、新旧入り乱れての大討論。

なんか老舗そば屋さんも「革新」の時代なのですなぁ...。

あの人は今...

東京出張最終日。夜9時半から11までニューヨークとの電話会議が入ってしまい、フリーになったのは12時間際。

しょうがないので、お一人様で六本木ヒルズの「Maduro」のカウンターで自分にオツカレサンの一杯をしていたら、どこかでみたことのあるオッサンがトイレから出てきた...とおもったら、この人でした。

Politicians chasing Yesterday's Headlines about Last Year's News

先月の東京出張中、日常雑貨・食材の買い物は宿泊先の近所にあった大丸ピーコックで済ませていた。

出張中は外食が多いので、足の早いものを避けつつ、いいろいろ買い物かごに詰め込んでキャッシャーにたどり着いてちょっとビックリ。キャッシャーはインド人のお姉さんだった。日本語も英語も流暢。

「インドネシアから看護婦さんがやってきた」なんてニュースが大きく取り上げられ、デヴィ夫人が「インドネシアからの救世士」なんてはりきっていましたが(どうも私のブログ・サーフィンは妙な方角に流れていきます)、日本のメディアの視点は丸1年ぐらい遅れているような気がしてならない。

ひいては、そうしたメディアの視線を気にする政治家の争点は2年ぐらい遅れているのではないだろうか。

「海外からの移民受け入れ反対」なんて気炎をあげてみても、もう実態は大丸ピーコックをごらんあれ。邱永漢さんが中国からの人材派遣ビジネスの話をしはじめたのも、もうかれこれ数年前。下町の町工場では中国人労働者なしではやっていけない状況になっている。

逆もまたしかり。30年前に韓国に追い抜かれた日本造船業界は、最近積極的に中国(川崎重工、常石)やベトナム(三井、IHI)、フィリピン(常石)に出ばって、現地の人たちと共に、ハイクォリティな製造業技術の開発に従事している。すでに「日本v韓国」というナショナリスティックな構図は過去のものとなりつつある。

以前のエントリーでもふれたが(コチラコチラ)これからグローバルに活躍できる日本人は「ものづくりニッポン」とさけんで政府の支援を取り付ける人ではなく、世界の舞台で「ひとつくり」ができる人だろう。

こうした真のグローバライゼーションを直視する視点を共有してくれるメディアは日本ではなかなかお目にかかれないし、政治家の論点はまったく的をはずしている気がする。まぁ、日本の選挙でキャスティング・ボードを握っているのは「現場」をはなれた「ノン・ワーキング・リッチ」(by池田信夫)だからしょうがないか。

以前のエントリーでもいったが、歴史の潮流の本流は全然あさっての方向を流れている。

(The Economist紙も日本経済は政治の迷走にもかかわらず、他の先進国経済に比べて健全だといっている。コチラ。)

ちなみにこのエントリーのタイトルは、イギリスの下院議員だったTony Benn氏へのトリビュートです。Bennさんはかなりの変わり者で、子爵(viscount)だったお父上が亡くなった時、そのまま貴族院入りできたのに、爵位を捨てて下院議員であり続けた。メモ魔としても有名で、毎日の新聞一面記事の切り抜きをスクラップ・ブックに貼付けたものを、何十年分も記録として保存していた。その理由を問われて、

「新聞の一面記事に振り回されるような政治家にならないために。」

と答えた。

下はBBCの時事問題討論プログラム「Question Time」で、当時のアメリカ国連大使、John Bolton氏に喰ってかかるTony Bennさん。


オマケ。1959年の労働党のテレビ政見放送(?)で、なんとなくオタク的ハイテク・イメージ(1959年当時のレベル)を振りまく若き日のBennさん。

Sunday, September 07, 2008

Unofficial Obama Campaign Theme Song... or is it?

アメリカのカントリー・デュオのBrooks and Dunnの「Only In America」が民主党大会のフィナーレで使われてから、この曲がオバマ・キャンペーンのテーマソングみたいな感じになっている。

これが民主党党大会のフィナーレのようす。


オリジナルはコチラからどうぞ。

実はこの曲、当時再選を目指していた現職ブッシュ大統領の2004年の共和党大会でも使われていたという、皮肉な過去があるらしい。

「両党から支持されてうれしい」

とは、柳の下のドジョウ二匹目的便乗ヒットで笑いの止まらないデュオの一人、キックス・ブルックスさんの談(コチラ)。

「スクールバスの運転手がミラーに映る子供たちの顔を見れば、そこには『Promise of the Promised Land』がある。」

...クサい歌詞だが、たしかにアメリカ人にはウケそうだよな。

「ある子は将来牢獄行きかもしれないし、ある子はもしかしたら大統領になるかも知れない...。」

和訳するのであれば「Promised Land」は「約束の地」でもいいが、最初の「Promise」は「約束」ではなく「希望」と訳したいところ。

Friday, September 05, 2008

Jamon Jamon!

Javier Bardem was a rugby player?!


OK... I think I can vaguely see a Sebastian Chabal in him... somewhere....???

Brasileirinho

以前のエントリー(コチラ)でJETROの調査員レポートの質が(意外に)高いことを指摘しましたが、民主党の都議員の2年前のブラジル視察レポートの結論部分が、JETROレポートからの転用だったことがばれたらしい(ニュースはコチラ)。

まぁ、ヘンな形でJETROが「使える」ことを証明してしまった。

それにしても...海外調査費765万円也...。

このニュースが民主党党首選挙を控えたこの時期(告示が来週の月曜日)に出てきたというのも、キナ臭い話だ。

なんか朝一番にイヤ〜な気分にさせられたので、このエントリーのタイトルにしたブラジル音楽でもどうぞ。

Thursday, September 04, 2008

JustinとCarly

BBCのワシントン特派員、Justin Webb君が共和党員でHP(ヒューレット・パッカード)の元CEO、Carly Fiorinaさんをインタビュー(リンクはコチラ)。

「民主党はヒラリーがメディアの餌食となるのを見過ごしてきたが、共和党は(副大統領候補のSarah Palinが同様な扱いを受けるのを)見過ごさない。」

なかなか効果的なアングルではないだろうか。Palinさんは進化論をを信じてなかったり、性的暴行で妊娠しても女性の中絶を認めない、なんて女性有権者には受けいれがたいスタンスを持っているが、それらは「個人的信条」ということで棚上げし、オバマ支持に回りきれていないヒラリー支持者を取り込むというのは、なかなか賢い。

まぁ現時点での共和党の劣勢は隠しきれないが。

Wednesday, September 03, 2008

Hip Hop Meets... Akihabara?

Kanye Westと村上隆のコラボ。(リンクはこちら。)

情報が遅い私はなんか六本木ヒルズの新しいPRかと思ってしまった。

Tuesday, September 02, 2008

加藤清正していたバロージャ・プーチンと福ちゃん

プーチン首相、トラの襲撃からカメラマン助ける=ロシアメディア

本当かよ...

こちらのCBSのレポートをみる限りただ単に「麻酔銃を撃ってみた」というかんじなのですが。



昨晩は仕事の後、ラグビーの練習。10時に帰宅。まだ起きていたセガレをベッドにおいやり、シャワーを浴びる。妻が作ってくれたシラス丼とお味噌汁の軽い夕食をかっ込んだあと、就寝前にネットをチェックしてみたら、福田総理が辞めていた。

「このままじゃ選挙に勝てない」

と思った政権党が、党首/首相を引きずりおろす、という構図はサッチャー政権の崩壊と同じだが(以前のエントリー)、役者の格が違いすぎる。期待されていない政治家の退陣というものはわびしいモノだね。

結局のところ、彼の役割は官僚が策定した政策に対する国民の支持を取り付けてくるという「官僚のパシリ政治家」だった。どうも「使えねぇ〜」ということで、少しはマシ(と思われている)麻生さんになるのだろう。

麻生vs小沢...オバマvsマケインには比較するまでもないが、それにしても燃えない選挙になりそうだ。

最近はやりらしい(結局日本滞在中もみれなかった)「篤姫」の時代にたとえれば、「慶福・紀州派」と「慶喜・水戸派」の争いと同じで、歴史の潮流の本流は全然あさっての方を流れている。

日中友好を推進して、東シナ海のガス田問題にとりあえず終止符を打ち、共同開発の合意を取り付けたのは功績だが、政治家として世過ぎする運命の星の下に生まれて、72歳でこのていたらく。

オレだったらぜったいこんな人生歩みたくない。「男子の本懐」とはほど遠い。

ま、ごくろうさんでした。

Monday, September 01, 2008

グーグル・ライフ

ごぞんじ、サーチ・エンジン・ソフト開発会社から巨大メディア会社に成長したGoogle本社のすばらしい社員サービスを紹介する、アメリカCBSのレポートです。



世の中、不景気じゃなかったんだっけ...?