Friday, January 23, 2009

チーム・クリントン@ステイト・デパートメント

オバマさんの国務省での「仕事初め」スピーチ。国務省っていっても、実質は「外務省」なんだよね。(ジェファーソンの長〜い影...。)

お約束のヒラリーの国務長官に続いて、英首相ジョン・メージャー/トニー・ブレアー、アイルランド共和国首相とともに北アイルランド紛争に終止符を打った元上院議員(メイン州)のジョージ・ミッチェルが中東担当。旧ユーゴスラヴィアのボスニア紛争の終結に活躍したキャリア外交官のリチャード・ホルブルックがパキスタン・アフガニスタン担当。

まさに外交のプロを前面に押し出した布陣。

そしてお二人とも、ビル・クリントン政権のOBということで、まさにヒラリー率いる「チーム・クリントン」の観あり。

意地悪な見方をすれば、アメリカ国民の8割近くが、新政権の最重要課題は「経済・景気対策」といっているなかで、政治的にはアメリカ国内へのアピール・ポイントが少ない、そして多分華々しさもないし、成果が出るまで時間のかかる「外交」をクリントンさんに「丸投げ」したともとれる。

ミッチェルさんは北アイルランドの時と同様、紛争地域内で活動するテロ組織を、紛争地域外からサポートする支援ルートを断つという攻め口で成果をあげていこうとするのだろう。そうなってくると、パレスティナ周辺のエジプト、シリア、ヨルダン各国との連携が重要になってくるだろう。(ここでのアキレス腱はもう先は長くないエジプトのムバラク大統領とその政権の後継者問題やね。エジプトで政情不安なんてことになった日にゃあ目もあてれねぇや。)ここらへんからの直接支援に支障が出てくると、パレスティナ/レバノンで活動するハマス勢力としては、異民族(ペルシャ人)、異宗派(シーア派)であるイラン政府からの支援への依存度を高めていくことになるのだが...「悪の枢軸」発言のブッシュさんが退場した後、イランとの対話外交を掲げるオバマ政権との「デタント」がすすんだ場合、イランとしてはそこまでぬかるみに足を突っ込みたくはなかろう。イランとの直接対話外交で成果があがれば、イラン情勢とイランへの発言権をテコにしたロシアの中央アジア外交における抬頭をチェックすることにもなる、と...まぁ、そう絵に描いたように上手くいけば...いいんだけどねぇ...。


キャリア外交官のホルブルックさんとしては、うまくやっていかなきゃいけない相手が身内にいる。イラク沈静化で(それなりの)成果を上げたとされていて、ブッシュさんの覚えもめでたかった、元駐イラク米軍総司令官のペトレイウス将軍がアフガニスタン駐留軍の総司令官としてすでに着任している。この米軍エスタブリッシュメントと、多国籍軍との連携をどう上手に乗りこなしていくのかというのが課題だね。なんかまるでボスニア2.0みたいな感じ。もしニッチもサッチもいかなくなったら、コリン・パウエル将軍の登場っていうのもありか?


こうした新アメリカ外交基軸のなかで、日本ができるのはアフガニスタンへの経済援助と、インド洋でのガソリンスタンド。北朝鮮は二の次になっているようだし、平壌へは北京経由でいったほうがよっぽど早いということはもう常識。日本外交は冬の時代...とはいっても、「ジャパン・パッシング」だ、「ジャパン・ナッシング」だと見苦しく騒ぐのではなく、こういうときこそ「寒肥え」の仕事が大切なときですぞい。

それにしても、世界外交も新時代の幕開けかも知れん。世界経済の停滞で、グローバライゼーションにブレーキがかかった(ぜったいリバースにはならん)ところで、人権・人道主義そして資源の最適活用と反保護主義経済政策に根ざした世界関係が成長していって欲しい。いいかげんブッシュ政権下、ネオコン外交「専門家」による、キッシンジャー・東西冷戦時代外交2.0、というか19世紀欧州列強ディプロマシーの焼き直しみたいなのはもうこりごりだよ。

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