Friday, May 29, 2009

「♪ともだちひゃくにんでっきるっかな〜」 - Social Network and Chinese History

BusinessWeek誌は、The Economist紙に比べると、ちょっとセンセーショナルで、提灯記事も多いような気がするので、かなり斜に構えて読んでいるのですが、今週号のソーシャル・ネットワークに関する記事はおもしろかった(コチラ)。

Facebookが1メンバーあたり一ヶ月10¢ほどの広告収入しかないという話には、あらためて愕然。

だからこそメンバー間のネットワークをより有機的に利用した広告戦略を、学問仕立てで裏付けて、収益性の向上を図ろうというわけなのだろうが...なかなか難しそうだ。

そんなことを考えながら今朝シャワーを浴びていたときに、ふと気がついたのだが、こうしたオンラインのソーシャル・ネットワークって、中国の歴史書の紀伝体の筆法に似ている。

人それぞれに物語があり、本人以外の人物は、そうした一個人の物語に出たり入ったりしている。

高島俊男さんの「三国志 - きらめく群像」という本によると、紀伝体によって陳寿(233〜297)が書いた「三国志」で、他人の伝に登場する回数が多い人物のトップ10は次の通りらしい。

1. 曹操
2. 孫権
3. 曹丕
4. 劉備
5. 袁紹
6. 曹叡
7. 諸葛亮
8. 司馬懿
9. 劉表
10.関羽

要するにこれらの人物が後漢末期から三国時代の主要人物であったわけで、当時一番「マイミク」が多かった人たちということだろう。だから、広告を出すのであれば曹操さんのページ(宮廷)が一番価値があるのだが、曹操さんちはいろいろと広告が多すぎる(多士済々)...じゃぁちょっとマイナーなところで劉備さんちに出た方がコスト・パフォーマンスがいいんじゃないか...なんか四川地区に強いし...「三国志演義」なんてアプリが流行っていてヒット数多そう...なんてところだろうか。

まぁ歴史書の場合は過去から振り返る視点なので、正解がすでに見えていますが、現時点におけるリアルタイムでのネットワーク習性を把握するのは難しいでしょうね。

どんなセオリーが出てくるのか分からないけれど、どうしても「仮説」の域をでないでしょう。もっとも長年にわたってテレビ広告の料金基準だった「視聴率」なんていうのも、その正当性は甚だ怪しいものだったんではないかと思う。

そう考えてくると、重要なのは「正解」のセオリーを求めることではなく、「視聴率」におけるニールセンのように、業界スタンダードの権威を確立してしまうことじゃないだろうか。

...とすると...またしてもグーグルの独壇場?

ヤレヤレ...。

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