Tuesday, July 01, 2008

Simbaaaaa... and Ascent of Black America

今月初め、前職で同僚だったジャマイカ系英国人の弁護士と飲み。

超ハイパーな彼と話していると、こっちもつられてボルテージが上がり、しまいには二人の会話が漫才みたいになってしまう。

4人のパパである彼とお約束の「男はつらいよ...的近況報告」をすませた後、アメリカの大統領選挙の話になる。

彼は、お父さんの世代にジャマイカから英国に移住している。だからジャマイカ、ひいてはカリブ世界の文化にプライドを持っている。(だから最近のクリケットのWest Indies−西インド諸島チームのふがいなさにご立腹。)

そんな彼は同じジャマイカ出身でアメリカ軍のトップまで上り詰めたコリン・パウエルさんにオバマの副大統領候補になってほしいという(コチラご参照)。

「無理だって...彼は共和党だよ...

それに『オバマ−パウエル』なんていったら...

...なんかシンバとムファサがタッグ組んでいるみたいじゃないか...」



















....

どうも私の頭の中のどこかで「ライオン・キング」と「スターウォーズ」が不可解につながっていたのですが、最近やっと謎が解けました。ムファサの声とダース・ヴェーダーの声が同じ人だったのです。

こちら「声の出演」のジェームズ・アール・ジョーンズさん。









「シンバ〜、私はお前の父だ〜」

「...知ってたよ。」

私のジャマイカ友人のおじさんはニューヨークのブルックリンで牧師をしている。そこで聞いてみた、

「アメリカの黒人政治家ってみんなあの説教師っていうか、なんというか、ゴスペル調の演説をするよね。なんでなんだろ。」

「あれはオレたちのパフォーマーとしての本能なのさ。黒人社会で聖職者っていうのはごく普通のキャリア・チョイスなんだ。手っ取り早い話、そんなにスポーツが得意じゃなく、音楽の才能もないけれど、適度に頭のいい子にとって教会でのキャリアは上からひっぱってくれる先達がいる数少ないまっとうな仕事の一つなんだ。他のホワイト・カラーのキャリアにはやっぱりまだ障壁があるからね。」

なるほどね〜。

「で、ああいう人たちはもう人前でしゃべるのが好き好きで、たまらない人間なんだ。オマエもみてただろ、あのオバマの足ひっぱってたライト師。黙ってりゃいいのに...マイク持たされてカメラを向けられたらもうガマンできないんだよ。根っからのパフォーマーなのさ。」

な、なるほど...。

以前(コチラコチラコチラ)にも取り上げたが、アメリカ黒人社会は60年代の公民権運動に代表されるSegregation(分離)に対するの戦いのあと、Integration(融合)への挑戦と向き合っている。ライト師など古い世代の黒人社会指導者のレトリックとオバマに代表される新しい指導者のスタイルに亀裂が入るのはこれが理由だ。

しかしアメリカの全人口の約13%を占める人たちが一斉に社会の下層階級に定着することに甘んずることをやめたとき、その力はアメリカに新しい活力を注入することになるんじゃないかと私は期待している。

そんなアメリカ黒人社会の新しいリーダーたち(政界編)。












Harold Ford Jr.
前テネシー州選出の下院議員。2006年に上院選挙に出馬して惜敗。現在は民主党リーダー会議の議長。













Adrian Fenty
ワシントンDCの市長








Cory Booker
ニュージャージー州、ニューアークの市長。

このCoryさん...スタンフォード大のアメフト選手でオール・アメリカンに選出。ローズ奨学金生でオックスフォード。イェール・ロースクール...って...無敵の経歴ですな。

ところがそんな学歴をもつCoryさんでもスピーチとなると...ゴスペル調...ごらんあれ...(特に終わりに向けてのクレッシェンド)。



最後に、Coryさんが惜敗した2002年の市長選挙のドキュメンタリー映画の予告編。ドブ板選挙はどこの国でもえげつないです。


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