Monday, July 28, 2008

The Nearest a Man can get to Immortality

いろいろとドラマがあったセガレの小学校一年生、1学期。おかげさまで皆勤賞。誰も言ってくれないので、毎朝7時半のスクールバスにセガレを乗せる為に、毎朝5時半起床で頑張った自分を褒めてあげよう。(私、別に低血圧なわけではないのですが、毎朝エンジンがかかるまでいろいろと時間がかかるオトコなのです。)

それにしてもである...。

いままで日本語教育に縁のなかったセガレを日本人学校に入学させるのは、やはりそれなりに不安があった。

だから入学のあと、すぐにあった授業参観には仕事を休んでおそるおそる見に行ってみたのです。

ものすごく優しそうなM先生(男性)が、

「はいみんな、それじゃあ『う』がつくことばをさがしてみよう〜」

というと、すかさず手を挙げた子供たちがそれぞれ、

「うしぃ!」

「うさぎぃ!」

などとさけぶ。

セガレは先生の目の前、教室で一番前の席に座り、自分も答えたくてムズムズしているのだが、哀しいかな、他のこどもたちをさしおいて発言できるほど、日本語のボキャブラリーが無い...。

そこへどこかのひょうきん小僧がひときわ大きな声で、

「うんこ!」

とさけんだ。

(ヤレヤレ、うちの子じゃなくてよかった...)

などと安心したのもつかの間。自分にスポットライトがあたらないのにしびれを切らしたセガレは、やおら席を立ち、目の前に立っていた先生の股間をわしづかみにし、

「うんこは、ここだよ〜」

...

...

...

(オトコのせんせいでよかった...)

なんて思いがとりあえず頭をよぎった...。

とにもかくにも、あまりの突発事故に、教室の後ろで立ち尽くしていた私は大汗をかきながら、青くなったり赤くなりしつつ、あることに気がついたのでした。

(こいつの問題はコトバなんかじゃない。あの「目立ちたがりや」の性格...ありゃそっくりそのままオレ自身の性格じゃないか...!そういや、おれも小学生のときは...認めたくないが...あんなかんじ...だった...すっかり(都合良く)忘れてたけど...)

なんだか「我が身の宿業」...みたいなものを目の前に突きつけられたようなかんじで、少しクラクラしていた私に、妻が身を寄せてきて、低い声で、

「なんで...うちの子...はずかしい〜...!」

と言った。

私はおもわず、

「どうも...すいません...」

と謝ってしまった。

その後、先生から再三、再四、授業中の注意力散漫とのご指摘があったものの(これもオレと同じだ...)、日本語の会話能力はメキメキと上達し、とにもかくにも学校へ行くのが楽しいようだった。

6月末にまた授業参観があり、約3ヶ月の間どれくらい進歩したのかと思い、覗きにいってみた。

今回は音楽の授業。子供たちは机を教室のわきによせ、いすを真ん中に丸く集めてみんなで歌を歌っていた。

セガレは...いすで丸く囲んだ真ん中で、いすの上に立ち、指揮者の真似事をしていた...。

The nearest a man can get to immortality is to have a son.

Wednesday, July 23, 2008

It's not wrong to make mistakes, but it is wrong not trying for the fear of making mistakes

榊原さんの本を読んで考え込んじゃった教育問題ですが(以前のエントリーはコチラ)、やはり世界規模でこの問題はトピカルですな。

以下、TEDでのSir Ken Robinsonさんのプレゼン(というかダベリ?)です。


この講演、問題提起はいいんですが、具体的なソリューションの話がなくて...私、ますます考えこんじゃいます。

まぁ、確かに「クリエイティブ」なのも重要ですが、毎晩セガレの宿題を手伝いながら、セガレの、

「ねぇ〜、『8』って、あの丸ふたつのやつ?」

なんて質問を何十回と聞かされつづけていると、ブチ切れそうになる自分を押さえるので精いっぱい。(こんなニュースにならないように気をつけよう...。)

でも確かにロビンソンさんがいうように、5年後の世界がどうなっているのか、全く見当もつかないこの時代に、子供の将来の為によかれと信じるを教育を享受させるということは、難しい問題です。

♪ラ〜ラ〜ラ〜...ダンシン・クィ〜ン〜♪

前々回のエントリーでマナ板にのっけたトニ・コレット姐さんの出世作、「Muriel's Wedding」がタイミングよくニューヨーク・タイムズのビデオでとりあげられていたので、アップしときます。

これロンドンで見て、大ウケしてたのも、もう14年前の話なのね...。

SPGに捧ぐ

別して理由があるわけではありませんが、ニューヨーク・タイムズ紙の「スクリーン・テスト」シリーズから、ナタリー・ポートマンちゃん。

結婚して二児のパパとなる以前、大のファンだったSPG君に捧げます。



聡明そうだよな〜。

Sunday, July 20, 2008

ソコハカ似

ラグビーのトライ・ネーションズ(ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカの三か国対抗戦)が始まって以来、久しぶりにクラブに顔を出してチーム・メートと飲みながら観戦したいな...などと思っていたのだが、家事に追われて果たせず...やっと昨日オーストラリア対南アフリカ戦を観に行けた。

下馬評では悲観されていたオーストラリアが新コーチ(ニュージーランド人!)の下によくまとまって勝ちをおさめた。試合内容は貧しかったが、気合いの入ったいい試合。

しかしキックオフは香港時間午後5時と思ってクラブハウスに行って飲み始めていたら、テレビ番組が始まったのが5時で実際の試合開始は午後6時。おかげさまで赤ワインを余計な分までがぶ飲みしてしまい、後半戦の内容はいまいち覚えていない...。

おかげでなんか訳の分からない妄想が頭をよぎりまくっていた...

例えば...

南アの新キャプテン、ヴィクター・マットフィールドはフランス代表のセバスティアン・シャバルとおトモダチなのかな〜とか...








これがマットフィールド。で、下がシャバル。






どうもフォワード第二列、ロックは野人化していくものなのだろうか。それとも二人してシャンプーのCM出演でも狙っているのか...。

もっとも野人(Caveman ...はじめ人間ギャートルズ?)といわれるシャバルにもかわいい(?)ころはあったのだ...






これが「かわいい」かどうかはかなり個人の好みによりますが...。

マットフィールドもオフの顔はそれほど恐ろしくない。







なんとなくオーストラリア出身の俳優、エリック・バナみたいだな。







全然似てないって?

私の頭の中では下の二人もどこかでつながっています。

南アフリカ代表フランカー、シャルク・バーガー選手







そして、オーストラリア出身の個性派女優、トニ・コレットさん。













最後に、ラグビー選手なのに、なぜかお顔とおぐしが「王子さま」な、南アフリカ代表センターのフランソワ(名前からしておとぎ話だな)・ステイン選手。












ま、上の写真は南アU19代表だった頃の写真ですが...最近は下のような感じになっています。













なんか南アの選手はブロンドが多いな〜...などと酔っぱらった頭で思いながら、応援しているうちに、負けてしまった。

Friday, July 18, 2008

名前の出演

こんなところに名前だけ出演していた...。

(最後の最後の方にちょこっとだけ...。)



タネを明かせば、シーズン最後の方、けが人続出。選手層がそこをつきかけていた時点で、1軍ベンチ入りを要請され、香港代表のH選手が流血手当をうけている間に5分ぐらい1軍でプレーしただけなんですが...。

More letters in my name than the minutes I have played...

So True...

これまた以前ご紹介のCory Bookerさんのスピーチ中の言葉が頭から離れない。

それは次のような言葉。

「In this world, you will not get everything you pay for, but you will pay for everything you get.」

Payという言葉とGetという言葉の語感が日本語でうまく伝えにくいので、翻訳しづらいですが(決してお金を払うという意味では無いのだよ)、あえて拙訳を披露させてもらえば、次のようになります。

「あなたの人生において、あなたの努力が必ず報われるという保証は無い。しかし努力しなければなにも手に入れることはできない。」

最後の授業

以前のエントリーでご紹介した「最後の授業」(日本語で本も出たみたいですね)、ついにミュージック・デビュー。


こんなところでもご紹介。)

どうも「最後の授業」と聞くと、むかし小学校の国語の教科書に出ていた話を思い出しちゃうんですが...普仏戦争のあと、ドイツに割譲されたアルサスの小学校でフランス人の先生が黒板に「フランス万歳」と書いて去っていくという話(コチラを参照してみてください)。

この「最後の授業」のアルメ先生と、「かわいそうなぞう」のトンキーとワンリーは、小学校国語教科書の中では涙なしには読めないお話の双壁(次点、「かたあしだちょうのエルフ」)。実際、私が小学生だったとき、「かわいそうなぞう」を朗読していた先生が途中で慟哭してしまい、鼻をかみながら読み進めていったという大変な事態になってしまった思い出がある。

この「去っていく先生の黒板メッセージ」というと、「二百三高地」であおい輝彦が黒板に「美しい国、日本。美しい国、ロシア。」と書いて出征していくという場面がありましたな。

映画で印象深い、「先生の最後のメッセージ」はルイ・マル監督の「さよなら子供たち」。



以下、ネタバレ映像。


Tuesday, July 01, 2008

Simbaaaaa... and Ascent of Black America

今月初め、前職で同僚だったジャマイカ系英国人の弁護士と飲み。

超ハイパーな彼と話していると、こっちもつられてボルテージが上がり、しまいには二人の会話が漫才みたいになってしまう。

4人のパパである彼とお約束の「男はつらいよ...的近況報告」をすませた後、アメリカの大統領選挙の話になる。

彼は、お父さんの世代にジャマイカから英国に移住している。だからジャマイカ、ひいてはカリブ世界の文化にプライドを持っている。(だから最近のクリケットのWest Indies−西インド諸島チームのふがいなさにご立腹。)

そんな彼は同じジャマイカ出身でアメリカ軍のトップまで上り詰めたコリン・パウエルさんにオバマの副大統領候補になってほしいという(コチラご参照)。

「無理だって...彼は共和党だよ...

それに『オバマ−パウエル』なんていったら...

...なんかシンバとムファサがタッグ組んでいるみたいじゃないか...」



















....

どうも私の頭の中のどこかで「ライオン・キング」と「スターウォーズ」が不可解につながっていたのですが、最近やっと謎が解けました。ムファサの声とダース・ヴェーダーの声が同じ人だったのです。

こちら「声の出演」のジェームズ・アール・ジョーンズさん。









「シンバ〜、私はお前の父だ〜」

「...知ってたよ。」

私のジャマイカ友人のおじさんはニューヨークのブルックリンで牧師をしている。そこで聞いてみた、

「アメリカの黒人政治家ってみんなあの説教師っていうか、なんというか、ゴスペル調の演説をするよね。なんでなんだろ。」

「あれはオレたちのパフォーマーとしての本能なのさ。黒人社会で聖職者っていうのはごく普通のキャリア・チョイスなんだ。手っ取り早い話、そんなにスポーツが得意じゃなく、音楽の才能もないけれど、適度に頭のいい子にとって教会でのキャリアは上からひっぱってくれる先達がいる数少ないまっとうな仕事の一つなんだ。他のホワイト・カラーのキャリアにはやっぱりまだ障壁があるからね。」

なるほどね〜。

「で、ああいう人たちはもう人前でしゃべるのが好き好きで、たまらない人間なんだ。オマエもみてただろ、あのオバマの足ひっぱってたライト師。黙ってりゃいいのに...マイク持たされてカメラを向けられたらもうガマンできないんだよ。根っからのパフォーマーなのさ。」

な、なるほど...。

以前(コチラコチラコチラ)にも取り上げたが、アメリカ黒人社会は60年代の公民権運動に代表されるSegregation(分離)に対するの戦いのあと、Integration(融合)への挑戦と向き合っている。ライト師など古い世代の黒人社会指導者のレトリックとオバマに代表される新しい指導者のスタイルに亀裂が入るのはこれが理由だ。

しかしアメリカの全人口の約13%を占める人たちが一斉に社会の下層階級に定着することに甘んずることをやめたとき、その力はアメリカに新しい活力を注入することになるんじゃないかと私は期待している。

そんなアメリカ黒人社会の新しいリーダーたち(政界編)。












Harold Ford Jr.
前テネシー州選出の下院議員。2006年に上院選挙に出馬して惜敗。現在は民主党リーダー会議の議長。













Adrian Fenty
ワシントンDCの市長








Cory Booker
ニュージャージー州、ニューアークの市長。

このCoryさん...スタンフォード大のアメフト選手でオール・アメリカンに選出。ローズ奨学金生でオックスフォード。イェール・ロースクール...って...無敵の経歴ですな。

ところがそんな学歴をもつCoryさんでもスピーチとなると...ゴスペル調...ごらんあれ...(特に終わりに向けてのクレッシェンド)。



最後に、Coryさんが惜敗した2002年の市長選挙のドキュメンタリー映画の予告編。ドブ板選挙はどこの国でもえげつないです。