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Epiphany of Yute the Beaute
Everyday thoughts: some useful, some not so much.
Friday, May 17, 2013
映画とTVで学ぶ「英国史」- II
バラ戦争(~1485)
ヘンリー2世が開いたイングランドとフランスにまたがる大帝国も、イングランド王家としてのプランタジネット朝も、バラ戦争と呼ばれる30年あまりにわたる内乱で壊滅していきます。
この時代は、エリザベス朝の「大河ドラマ作家」ことシェークスピアが彼の史劇の題材としてとりあげたので、数ある映画化作品、TVドラマ化作品から選ぶのが困難ですが、あえて最新バージョンをおすすめします。昨年(2012年)、オリンピック・イヤーあやかってBBCが作成した「
The Hollow Crown
」です。
このTVシリーズは、バラ戦争の起源となるプランタジネット朝の一派、ランカスター家の擡頭を扱った、シェークスピアの「リチャード2世」、「ヘンリー4世 第1部・第2部」、「ヘンリー5世」を通しでドラマ化した作品です。年代的には14世紀の終わりから1415年までをカバーしています。
個々の劇作品が粒ぞろいで、特に「ヘンリー5世」などはたびたび映画化されてきた作品ですが、やはり通しで物語を追うことにより、歴史の流れがつかみやすいと思います。また、やはり最近の作品なので、その演出の意図するところなども分かりやすいでしょう。
バラ戦争の本番ともいうべき、ランカスター家とヨーク家の争いを扱ったのは「ヘンリー6世 第1部・第2部・第3部」そして「リチャード3世」ですが、後述する「リチャード3世」をともかく、「ヘンリー6世」 を題材とした映像作品は思いつきません。唯一の例外は1970年代から80年代にかけてBBCが作成・放映したシェークスピア全作品シリーズに含まれているものですが、舞台劇の演出をそのままテレビカメラに収めたもので、ちょっと取っつきにくいかもしれません。しかし、いかにも内乱時代を感じさせる向背常ならないカラフルな登場人物たちが織りなすドラマはなかなか面白いので、興味のある方は登場人物表と首っ引きでマスターしてみるのも一興でしょう。
バラ戦争の内乱の最後を飾るのはプランタジネット朝最後の王、リチャード3世です。最近、ボズワースの戦い(1485年)で戦死したリチャード3世の遺骨が、かつての戦場の近くの駐車場の一角で発見されて話題になっていました。王位簒奪のために実兄や甥を殺し、権謀術数のかぎりを尽くした後、最後の戦いでみじめに「悪の華」を散らせていく。魅力にあふれた悪役としてこれも多くの映像作品が残っています。古くはローレンス・オリビエの「
リチャード3世
」(1955年)が有名です。
アル・パチーノがリチャード役を演じる役者の視点からシェークスピアの作品をとらえたドキュメンタリー調の「
Looking for Richard
」(1996年)などという作品もありました。
しかしセッティングを現代に置きかえた作品ながら、あえてここでイチオシさせていただきたいのは、「X-メン」のマグニートーことイアン・マッケランがリチャード3世を演じた
1995年の作品
です。スピーディーな演出と、主役の名演技を通じて、リチャード3世の興亡の煌めきを印象深く記憶に刻むことができると思います。
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